自称うさぎ


▼二〇〇三年六月▼


六月三十日(月)


有史以来、ポチさんはご自分の体よりも大きいクマのぬいぐるみとの食後の格闘をなによりの楽しみとしてまいりました。あの勇猛果敢なひとり遊びにはいつも感嘆の声を上げさせられているものです。目からは鱗が落ち溜飲は上がります。しかし、昨今不穏な空気が漂い始めました。なんと、数年間ポチさんの相手をしてきたそのクマさんがわりともうダメかもしれない感じなのです。そろそろ内蔵が拝めるかもしれません。中の人に出会えるかもしれません。それはステキな出会いなのかもしれません。そんなこんなで母上から代わりのぬいぐるみを探すように命ぜられました。ですが、愛するポチさんのためとはいえ男がひとりぬいぐるみを探し町をうろつくというのは恥ずかしい以前に犯罪です。最近の刑務所は死刑囚に厳しくなったらしいので勘弁していただきたいです。どうすればいいのでしょうか。いいかげん、ポチさんが愛に飢えた僕の作り上げた妄想で実は僕以外には見えていないということに気付くべきでしょうか。僕の手元にある写真も話を合わせるために家族が用意したものだと気付くべきでしょうか。やさしい家族を持って僕は幸せです。




六月二十七日(金)


高校生の頃は毎日サイトを更新していてえらかったなぁとしきりに思っていると、そこに一本の電話が。そういえば、ものの噂によると、提供しているコンテンツ以外に、掲示板のレスをつける際にもボケなければならないそうです。しかし、僕にとって掲示板はこのサイトの中で唯一常識人のふりをしていられる場所です。そんな狂い人扱いされる一歩手前で押し留めてくれているところでもボケろと。普通の男の子でいられる場所でもゆんゆんしろと。お前はアレか。わ行が「わゐうゑを」だったことに気づいたときのオレか。一身上の都合で芸風が変わってますが気にしないでください。大人になるといろいろあるんです。

そういうわけで適度に間が空いたのでか行とな行を更新しました。さようなら。




六月二十五日(水)


昨日雨が降っていたことからもわかるとおり、僕は野球が好きです。どのくらい好きかともうしますと、朝よりも好きです。むしろ、朝は苦手です。給食で朝がでた時などは、いつも先生の目を盗んでこっそり机の中に隠してはそのまま忘れてしまい、腐らせたものです。机の中はすっかり夕方です。そんな誰しも一度はあるほろ苦い思い出はどうでもいいのですが、こないだ、たいして好きでもない野球中継を見ていたときのことです。平凡なファーストフライが打ち上げられ、誰しもがアウトになると思った瞬間、今日のその時はやってきます。あー、なんか落としそうだなぁと僕が思うのも束の間、なんとファーストが平凡なフライを本当に落球するじゃありませんか。ああ、僕もとうとう予知能力に目覚めたなと。巷で噂の予知能力を手に入れたなと。今の僕ならジンジャーの正体が新感覚のキムチであることもわかりますし、地域振興券で持ち直す日本経済の様子も手にとるように見えます。森政権に至っては永遠です。これ以上言うとアメリカの諜報機関に狙われそうなので寝ます。おやすみなさい。




六月二十一日(土)


ああ、人がいるなぁ。そして私は扇風機を買いに行きました。自室の冷房がお亡くなりになるという事故と呼ぶにはあまりに悲惨な未曾有の大惨事が僕を襲ったからです。そんな緊急事態に対抗できるのは扇風機しかありません。そうして買ってきた扇風機は二千円のものでした。その扇風機の第一印象は四角くて換気扇みたいだなぁでした。そう、あのとき換気扇のようであると少しでも疑いを持った時点でちゃんと確かめておくべきだったのです。ひょっとしたら扇風機ではないのかもしれないと疑っておくべきだったのです。そうすれば後々こんな気持ちになることもなかったんです。家に帰ってその扇風機をよくよく見てみると、扇風機でした。涼しいです。

件のあいうえお作文についてわけがわからないという意見をよく聞きますが、わかったらかなり問題だと思います。




六月二十日(金)


小学生時分は様々なオカルトじみた噂が流れたものです。曰く、口裂け女が近所でべっこう飴目当ての通り魔を重ねているだとか、トイレの花子さんが学校のトイレに不法侵入の後、不法占拠をしているだとか、それはそれは反社会的な内容のものばかりでした。花子嬢に関しては男子トイレにさえ侵入しているとも聞きました。そこら辺の節度は守っていただきたいものです。そんな噂の中、紫鏡という言葉を二十歳まで覚えていると死ぬというものもありました。まぁ、二十歳までそんなことを覚えている人間などいないという前提で広まった噂でしょう。しかし、今年の四月に二十歳の誕生日を迎えた私は余裕で覚えていました。というか、日付が変わるとき心の中で紫鏡を連呼していました。死にませんでした。なんということでしょう。しかし油断はできません。効果が発揮されるのが一年後なのかもしれません。六十年後なのかもしれません。百歳で死んでしまうかもしれません。恐ろしい話です。紫鏡の地域別の噂を調べるうちに結婚できなくなるだけだという話も聞きました。昨今の日本において未婚の方の割り合いが増えていることと関係がないとは到底思えません。恐ろしい話です。

更新に間があいたりしてることについてはお師匠さんにダメだしされながら作ったflashを公開してお茶を濁します。さようなら。

これ




六月十六日(月)


つまるところ全てが嘘ですが、体調が最悪に近く余裕の限界だったりもします。しかし、吐き気がするからといってただ吐いていたのでは芸がありません。タイガースも優勝できません。そこで、今日は筆の続く限り今回起こった体調不良の原因の究明に乗り出したいと思います。がんばれ自分。がんばっている君はとても輝いているさ。そんな君をオレはッ…。さて、自室にいる人間の中では一番頭がいいと自負しているぼくが推測するに、今回の体調不良の原因は今関西地方を中心にパニックを引き起こしているセアカゴケグモであると思われます。聞くところによりますと、あのクモはとても強い毒を持っているそうです。皆さん気をつけてください。さようなら。




六月十四日(土)


この年になるとさすがにいろいろと恥じらいがでたりしてこのままでは疲れてしまうと思った今日この頃、サイトをシンプルにして疲れないようにして自己愛護に突っ走ります。年はとりたくないものです。サザエさん一家が羨ましいです。でも頭部の異常な大きさは羨ましくないです。副作用でしょうか?がんばって年をとろうと思います。




六月十三日(金)


よく、世間一般では男性は恋人よりも友人を大切にすると言います。今日はこの事象を心理学的見地から考察してみたいと思います。まず、被験者の男性の名前をAさんとして話を進めます。変な名前ですね。親は一体何を考えていたのでしょうか。日本の行く末が心配です。日本の行く末といえばちょうど戦艦大和が沈んだ日は私の誕生日と重なります。そう、私は大日本帝国軍人の無念を晴らすべくして生まれてきたような気もほのかにする鬼子だったのです。いわば攘夷です。尊王かもしれません。やっぱり倒幕でいいです。さて、話を戻します。その被験者のAさんことハインデッカーさんには恋人がいます。良子さんです。良子さんは肉じゃがを作るのが得意なウズベク美人でもちろんワインハッカーさんとはラヴラヴです。しかし、そんな良子さんにもひとつだけ悩みがあります。ワッハーブW世さんの稼ぎが悪いということです。資本主義社会って厳しいですよね。私にはとても生きてゆけません。さようなら。




六月十二日(木)


本日、事実と呼ぶのもおこがましいものすごい事実が判明いたしましたが既に忘れてしまいました。気がつけば最近てんで本を読んでいません。そのせいでますます頭が悪くなったのでしょう。どの程度の悪くなり具合かと申しますとここでトリピカルな例えが浮かばないほど語彙が貧弱になっているという悲惨な有様です。もうくせっ毛は治らないかもしれません。そんなことはどうでもいいのですが、せっかく作ったのでflashを晒しておきます。さようなら。

これ




六月十一日(水)


さて、当面かつ永遠の問題はここに来てくださるお客様が減ることはあっても決して増えることはないという曲げようはあるけれど曲げても哀しいだけの事実であり、一日0ヒットの新記録も夢ではない縮小路線まっしぐらの憐れなぼくをどう神が救済するのかということであります。そこで僕は経営再建のためにこの局面を打開しうるプランをいくつか用意、実行に移す決意をいたしました。そのプランは以下の通りです。

1、何もしない
最も現実的なプラン。実行しても何も起きないのが欠点か。

2、逃げてしまう
面倒なことからは逃げてしまえー。よーし、みんなで競走だー。

3、公的資金を注入してもらう
でも、お金よりも大切なものがあるんじゃないのかな?さぁ、探しに行こう。きっとぼくらなら見つけられるはずさ。

4、宣伝をする
しない。

5、タマちゃん
あごひげアザラシ

どれも凡人にしか思いつかないこともない魅力的なプランばかりです。どれを実行したらいいのでしょうか?このまま凄まじいまでの絶海の孤島的状況が続くようだとさすがのお兄さんもまともな精神でこのサイトをやっていく自信がありませんのでさっそく発狂してみようかと思います。わー。しました。やはり、前にサイトをやっていたときに親しいサイト管理人さんを作為的にでも作っておかなかったのが問題なのでしょうか。後悔役に立たずですね。結局1を選択する私が最も役立たずだなんてそんな馬鹿な話があろうはずがない。



追伸:ご質問のメールアドレスの由来につきましては思いつき次第誠意をもって書かせていただきます。




六月十日(火)


というわけで、もう梅雨なので僕がどう考えてもまたサイトを始めさせていただくという結論に至るわけですが、一年もブランクがあるのにリハビリもなく貴様に日記が書けるのかと誰かがこっそり下駄箱に想いを込めた手紙を忍ばせることもままあり、気色ばんだ僕はサイトを再び始めるにあたり、忘却の彼方へと去っていた前サイト式日記の書き方を再び得んがために昔自分が書いた日記を読みかえしてみるも若かりし頃の自分との対面を余儀なくされそれはそれは凹んだわけなのですが、そこはもう確固たる一人の人間として成熟し、精神的にも強くなったナナメさんはもうダメですさようなら。こんにちは、話を続けます。確か家族のルールについて長々と話していたかと思います。そう、誰の家にでも家族のルールというものがあります。たとえ明文化されていなくても暗黙の了解として各家庭に必ずひとつはあると思います。我が家にはありませんさようなら。