なんかこう十年も同じ路線の電車を利用しているといいかげん寛容な僕も窓の外の景色に飽きてきます。そこで僕は考えました。全てが新鮮だったあの楽しい充実した日々を取り戻すための方法を。そう、例えば…小説に目を落とし異なる世界の住人として安穏たる時間を過ごす…、ウォークマンで耳を塞ぎ流れる景色から目を背ける…、気合で町並みを変える…、気合で物を触れずに動かしそれを基に新興宗教団体を設立して世界に愛を説き平和を願い信者たちの笑顔に囲まれながらタニシを食べる…etc…。でも、そんなちっぽけな日常に答えなんかどこにもありませんでした。それでも僕らは先に進まねばなりません。だって僕はそもそも十年も同じ路線なんか利用していないのだから…。そんな梅雨前線ラプソディー。
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